サックスから見た、「よろづあります。」 その4

⑦月
作詞:なおママ/作曲:陽爺

 

陽爺はマイナーコードのバラードは得意のようだ。
そもそも速い曲よりスローテンポの曲を作ることの方が多い。
「わさび」のライブでのバラード曲はとても聞きやすいはずだ。なぜなら、基本的にリズムキープ力の高い兄貴がメトロノームを聞きながらドラムを叩くからだ。
どんなテンポの曲であっても、1曲丸々メトロノームに合わせてリズムを崩さずに叩くことは、かなりの技術を要する。

自画自賛になるが、「わさび」のドラムとベースのリズム隊は正直、かなりレベルが高い。だから、上に乗っかているその他のパートは演奏がやり易い。
リズムの狂わないリズム隊と一緒に演奏できることは、本当にありがたいことである。

 

「月」の見せ所は何と言っても、中間部のピッコロとアルトサックスの掛け合いだ。作ったのはちあきさん。
2つの楽器を擬人化し、お互いのすれ違いから始まり、最後は重なり合っていく様子を表現している。
ジャズならいざ知らず、ポップス系の楽曲でピッコロとアルトサックスが絡んでソロを吹くなどという構成は、世の中広しといえども「わさび」だけではないだろうか?
ある意味、スゴく貴重な音源なのかもしれない。
音楽に興味のある方々、ここは必聴ですぞ。

ちあきさんは演奏面でもいろんな才能をお持ちだと感じる。私とは全く違うアプローチをされたりするので、驚いたり感心したりする。
しかも私と違い演奏力は安定しているので、いついかなる状況においても確実な演奏のできる方である。

 

CD「よろづあります。」にある「月」の掛け合いソロ。
実はレコーディングで随分と私のパートは加工していただいた。なかなか上手く吹けないのである・・・
ライブでは一発勝負なので、ボロが気づかれないか、毎回心配している。

 

 


⑧写真
作詞:なおママ/作曲:陽爺

 

この曲は現「わさび」のラインナップの中でも一番古いのではないだろうか。私が「わさび」に加入した当時からあった。(昔は違うタイトルが付いていたが…)
その頃の「わさび」にはブラスセクションとしてペット、ボーン、テナーサックスが存在していた。
だから、前奏を今はフルートが吹いているが昔はペットが吹いていた。

 

フルートとアルトサックスはサビの裏で最初の方は白玉延ばし形でハモっているのだが、回を重ねるごとに動きが出てくるアレンジになっている。
最終回のサビの裏では裏メロの如くハモりながら動いているので、機会があればサビの裏で鳴っているフルート&サックスに注意して聞いていただきたいものである。

この「写真」や「月」、「分岐点」は同じタイミングでレコーディングをしているので、3曲とも同じマウスピース「リバイユ LR」を使用している。