ノリが大切なことは承知してますが…

楽器を吹いているからと言って、歌を唄うことが好きだとは限らないし、音楽に対して“ノリ”が良いというわけではない。
すべて、私のこと。

 

ワン、トゥー、スリー、フォーのリズムに乗って体を動かすことが苦手だ。
だから当然、ダンス的なこともずべてダメ。
高校の時にあった「若人の集い」と称した音楽発表の場。いつもは「T-SQUARE」のコピーバンドで出演していたのだが、ある時、ロックバンドのサポートメンバーでサックスを吹いてくれと頼まれた。
そのバンドは「ローリングストーンズ」のコピーバンドだったので、かの有名な曲「サティスファクション」を演奏した。
どんな演奏をしたのかはすっかり忘れてしまったが、演奏を見ていた友人に「お前だけ動きが変やった」と指摘された。
それもそのはず。
私自身、ライブ本番中に「あれ? 他の人のようにリズムに乗って動けない!!!!」ってことに気がついたのだ。

 


T-SQUARE」は激しく身体を動かしたりする音楽ではない。
私の性に合っている。
でも私とロックとの出会いは、中学三年生まで遡る。
当時の私が聴いていた音楽は、ファンだった松本伊代ちゃんか松田聖子ちゃんだった。
特に伊代ちゃんは大ファンだったのでシングルもLPもすべて持っていた。
そんなある日、友人がお互いの持っているLPを一時交換しないか?と持ちかけてきた。
伊代ちゃんばっかりでも良いというので、彼の提案に乗った。
彼の持っていたLPは洋楽ばかりで、ポリスにビッグカントリー、カルチャークラブ・・・などがあった。


これが私にとっての洋楽とのファーストコンタクトであり、その後しばらくは、洋楽を聴くようになった。
同じく中三の時に好きになった女性がビリージョエルのファンだったので、そのようなものも聴いた。


大学時代~社会人になりたての頃に参加していたバンドは実はロックのバンドだったが、私のパートがドラムスだったので、激しく動く必要がなかった。
インスト好きのロックドラマーということで、クールなドラミングを心がけていたぐらいだ。


現在、いろいろと参加しているバンドでは、必要以上に動かなくて良いジャンルばかりなので、その点では気が楽だ。
その中でも唯一、自然とオーバーアクションをしてしまうバンドがある。それは「気まぐれハウス」でオールディーズを演っている時だ。
ここで演奏するときだけ私はテナーサックスを吹く。テナーサックスという楽器はアルトサックスより随分と大きいのだが、何故か動きたくなる。
たぶん、私の中でのテナーサックススピリッツがそうさせるのだと思う。

 

「静」のアルトに「動」のテナーってとこだろうか。
しかし、「気まぐれハウス」は年内で無くなってしまう・・・
私の「動」も封印されるのだろうか・・・