畏れ多くも、吹奏楽アレンジ その1

ラジオから「ブラジル」が流れてきた。
(注:私の事務所では四六時中BGMとしてFMをかけている)
思い出の詰まった曲だったので、しばらく間、聞き入っていた。


私がこの曲を初めて聴いたのは、大学2年の時だった。
ある日、吹奏楽部のドラムメジャーから言われた。
※ドラムメジャーとはステージマーチングショーを司る最高責任者。(過去ブログ6月23日「青年の魂、百まで(上)」参照)
「次の定演(定期演奏会)でこの「ブラジル」を演りたい。しかし、楽譜はなくこの音源しかない。楽曲の部分をうちのクラブで演奏できるようにアレンジしてくれないか?」。

 

この話には、前置きがあった。
あれは、大学1年の定演前のこと。
上記の過去ブログ内にも綴ったように、私は1年生の時とても不真面目な部員だったのだが、当時の幹部さん(4回生)から「定演のPOPSステージで1曲決まっていないから、アレンジ出来るのなら「T-SQUARE」の曲を演ってもいいよ」と言われていた。
にも関わらず、私はクラブに顔を出さなくなり、どんどん定演(12月の上旬に開催)は近づいていた。


秋も深まったころ、ようやくクラブに顔を出す事になったとき、幹部さんは「お前が書く(曲をアレンジして全パートの楽譜を作ること)と言ってたから1曲開けて待っとるんや。時間が残されてないけど、どないする?」と言ってくれた。
まさかこんな不真面目な部員と交わした随分前の約束を・・・と、私は感動してしまい、「書きます!」と返事をした。
曲は「DANS SA CHAMBLE」。
結論から先に言うが、演奏するまでには至らなかった。
吹奏楽用のフルアレンジは初めての作業ということもあり、想像以上に時間を食ってしまった。
当然、この曲をしない場合は違う曲(用意はしてあった)を練習しなければならないので、タイムリミットの関係でギリギリ間に合わなかった。


でも、一応、完成はしたので、私は人知れず「原譜」のハンコを押し、クラブの譜面倉庫にしまっておいた。
披露されることのなかったこの譜面、きっと時代の経る内に処分されたのではないだろうか?
それとも、今でもひっそりと・・・

 

 

長い長い前置きだったが、この件があったので「ブラジル」の話が私の所にやってきたのだ。
(続く)