自己回想 その5

高校2年生になり、クラブにも後輩が入ってきて間もない頃、私は退部届けを提出した。
アルトサックスを吹くことと吹奏楽を続けることがイコールではなくなったのだ。

途中で辞めた高校の吹奏楽部であるが、大人になってからOB会という形で復活した。
今の私があるのは、何を隠そう、このOB会のお陰なのである。
詳細は、また後ほど。



高校時代、共にバンドを組んでいた友の内、一人を除いて皆ストレートで大学に進学した。
頭の良くない私はストレートで大学に行けるわけではなく、浪人生活に入った。
何が辛いって、楽器を吹いたりバンドが出来ないストレスは計り知れなかった。
その反動は大学に入ってから爆発した。
まず、また吹奏楽部に入った。
そう、サックスを吹く環境が欲しかったのだ。
そして、バンドを組んだ。
高校時代の仲間はもう別世界の存在だったので、一緒に浪人したT君と一からメンバーを探した。
出来るものならインストを演りたかったが、自分のテクニックや揃うメンバーの状況からいって無理だと悟った。


私の中でサックスを吹くこととバンド活動をすることとは、以前はイコールだったのにこの時期からそれぞれ違う意味を指すことになっていく。
大学に入って、バンドメンバーが集まってきて、さあ何を演ろうか?となった時、私は最初、アルトサックスを担当する前提で考えていた。
ところが、メンバーの選択は「プリンセス・プリンセス」だった。
プリ・プリにサックスは不要である。(基本的に)

インストでもない限り、サックスという楽器は曲中鳴りっぱなし・・・なんてことはない。
さらには、多くの楽曲でサックスの出番自体がない。
ということは、無理からに曲中にサックスを使っている楽曲を選曲しない限り、私の存在価値はないことに気付かされた。


そんな時、どうしてもメンバーが見つからないパートが一つあった。



ドラムだ。