自己回想 その11

気まぐれハウスでサックスプレイヤーとしてバンド活動が出来て、楽しく過ごしていた。
テナーを吹くことにも少しづつ抵抗がなくなってきていた。
当然、アルトを吹くことはなかった。

都合6年間ほど気まぐれハウスでお世話になっていたのだが、後半はメンバーチェンジによって抜けたドラムに座ることもしばしばあった。


何を隠そう、いや、別に隠すことはないが、私と「わさび」のぐっちゃんとの接点はこの気まぐれハウスなのだ。
私の友人がオールディーズ好きのギター弾きがいるということで、気まぐれに遊びにきてもらったことがあった・・・・それがぐっちゃんだった。
その初対面後、その友人の結婚二次会で顔を合わしたことがあった。




テナーを吹き始めて6年ほど経っていた。
気まぐれハウスを脱退ししばらくしたころ、前出の高校入学時に一緒に吹奏楽部に入ったドラムのS君から連絡があった。
「高校の吹奏楽部にOB会が出来たんで、一度顔を出さへん?」。
またまたサックスを吹く場を求めていた私は二つ返事で行くことにした。

私は今まで必ずといって良いほど少し演奏機会から遠ざかっていると、不思議なことに次の演奏機会に恵まれていた。
本当、有難いことである。

OB会は高校卒業後、しばらくして楽器が吹きたくなったOB達の帰ってくる場として発足したらしい。
現役高校生、吹奏楽部の年間行事の目玉でもあるのが定期演奏会
この定期演奏会は三部構成になっており、第二部のラスト二曲をOBを交えて演奏することになる。
私は当然テナーで参加した。
そして初めて吹奏楽用のテナーの譜面を見た。
「え!? 中低音楽器の譜面って、こういう感じなんや・・・・」
アルトは高音楽器なので、メロディーパートになることが多く、それなりに目立つフレーズが多かったのだが、テナーは随分と違った。



その頃、ネットから「T-SQUARE」の譜面を拾ってきては、軽く練習したりしていた。
テナーでだ。
アルトの譜面をそのままテナーで吹いた。
アルトとテナーではKeyが違う。
アルトで「ド」を吹くと、実音(ピアノの場合)「♭ミ」。
テナーで「ド」を吹くと、実音「♭シ」となる。
だから、テナーで吹くと、CDを鳴らして一緒に吹けない。

何だかちょっぴり悲しい練習だった。