青年の魂、百まで(中)

ブルージーンズは禁止。(白、黒はなぜか可)

 

私の同回生は、おかしいことはおかしいってハッキリ言う人が多かったので、この部則に関して納得のいく明確な理由を説明して欲しいと詰め寄った。
この部則はむかしむかしのクラブ顧問の独断で出来たらしい。入部した時は誰もが皆おかしな部則だとは思うものの、上の回生から「そういう規則だから(つべこべ言うな!)」と一蹴され、それ以上議論する余地は与えられなかった。
大人になった今から考えるとおかしな話だと思うが、結構この頃の幹部さんは怖かった。上に対して何か意見を言うという雰囲気が全く感じられなかった。

みんな3年間苦労して(いろいろ耐えて)ようやく幹部の地位に辿り着いているので、自分達が今まで虐げられてきた部則を後輩のために改善しようなどという気はさらさらなかった・・・この辺が本音だと思う。
クラブというところはハッキリ言ってちょっとアチラの世界の感じと思っていただければ、理解しやすいと思う。
後にブルージーンズの部則は私たちの代で改善することとなった。

 

クラブには15帖ぐらいだろうか、部室というものがある。
この部室、外部からの電話もあることから必ず2名、常に在室しなければならない。
当然この役目、1回生の仕事だ。
入部者が多い年は良いが、少ない年だと頻繁に当番が回ってくる。当然、上の回生は手伝ってはくれない。


部室にはいくつかの長机と奥には幹部用に何組かの机と椅子がある。当然、幹部席は幹部以外座ることは許されない。
長机の椅子に座っていると「コン、コン!」と扉が鳴る。
幹部以外が入室する際は必ず扉をノックして「失礼します」と声を発するのが規則。(幹部はいきなり無言で入ってくる)
部室にいる1回生は取りあえず立ち上がる。
上回生であれば挨拶をし、「座っていいよ」と言われるまで立ったまま。
座る許しが出たら「失礼します」と言って着席。
仮に部屋に1、2回生がいたとして3回生が入ってきたらまずは全員起立。そして、お許しが出たらまず2回生が「失礼します」と言って座り、2回生全員が座るのを確かめてから1回生が「失礼します」と言って座ることになる。

 

部室の人の出入りは結構激しい。
その度に立って、座って、立って、座って・・・を繰り返す。
もう面倒くさいから1回生は人が多くなってきたら、座るところもない(当然先輩方に譲る)のでずっと立ったままである。

吹奏楽部の部則は万事がこんな感じだった。

音楽を演りに来ているのか、何か違う躾を受けに来ているのか・・・

 

部則の極めつけは何といっても合宿中の食事の時だ。(下へ続く)