自己回想 その18

「Boogie☆Ramblers」の奏でる音楽・・・・“ジャンプ・ブルース”。
知っている人はほとんどいないと思う。
でも聴けば、ビートの効いたノリの良い音楽。

「Boogie☆Ramblers」にはすでにホーンセクションとしてペットとテナーがいた。
ペットとテナーがオクターブ違いのユニゾンフレーズを吹いていたところに、私が2管の間でハモリの役をする・・・これが私に与えられた第一の役割。
そしてもう一つ、曲中によく出てくるソロを吹くこと。 これが第二の役割。

“ジャンプ・ブルース”で最も重要な管楽器はテナーサックス。
次はトランペット。
最後にアルトサックスだ。
だから、「Boogie☆Ramblers」には私が入るまでアルトが不在だった。




私はサックスを吹いていて目標としていることがある。
対サックスにおいてどうなりたいのか?

それは自由にアドリブソロが吹けるようになりたいのである。
アドリブソロが吹けるとはどういうことなのか?
それは、アドリブソロが回ってくるその瞬間に自分が何をどう感じ、それに対して吹きたいと思ったことを表現すること。
そう、表現できること。

自分は今まで「その瞬間に何を感じるのか?」ということだけは、ずっと自分を試し続けてきた。
だから、上手く吹けるかどうかは別として(幸いプロではないので、客さんが納得する演奏をする必要はないと思っている)
その瞬間に何も感じれなく、何も表現できなくなってしまったら、もうおしまいだと思ってきた。

よく楽器を始めたころは好きなミュージシャンのコピーをするものだ。
そして、ソロもコピーする。
私はそれをしてこなかった。
その人のアドリブソロはその人の感性。それをコピーしたって・・・・
と、えらそうなことを思っていた。
いろいろコピーしておくべきだったと、後年ちょっと後悔した。

ま、でもおかげで今でもその瞬間に表現したいことは浮かんでくる。
あとはそれをちゃんと表現できるかどうかだ。
これには、テクニックを磨かないといけない。


「Boogie☆Ramblers」の話を受けようと思ったのは、このアドリブソロを演る機会が多いからであった。
「わさび」ではどちらかと言えば『ここのソロはこういう風に吹こう』と決まったフレーズを吹くことが多い。
「わさび」のポップロックというジャンルはそういうものだと思っている。
それでも、一部分は好きに吹いてもいい部分を残している。
「Boogie☆Ramblers」でのソロは、結構長いものもある。
アドリブソロには長い短いに関わらず、その与えられた小節の中で「起承転結」が必要となってくる。

これを吹きながら考えるのが、楽しいのである。