サックスから見た、「よろづあります。」 その1

「わさび」初のオリジナルアルバム、「よろづあります。」。
ここに収録されている8曲を私のパート(アルトサックス&「EWI」)からの視線で見てみよう。

 


①「綴花」(つづればな)
作詞:なおママ/作曲:陽爺

 

現メンバーになる前に完成した曲。
私のイメージでは「綴花」=「わさび」という代表曲。
この曲は何といっても歌詞が良い!
奥深く、味わいのある歌詞で、なおママの世界観を存分に楽しめる曲だと私は思う。
是非一度、ゆっくり歌詞を見ていただきたいものだ。

 

この曲を練習し始めた頃、私ははまだテナーサックスを吹いていた。だから、ソロ以外はテナー用に考えたフレーズなのだ。それをアルトに持ち変えたときに単純に移調して吹いている。
ソロの部分はアルト用に作った。

 

アルト用とテナー用って何が違うの?と、お思いのことだろう。
2つの楽器の機能的な違いは“音域”と“音質”だが、最大の違いはその“役割”だ。

曲中のアプローチとしてテナーの場合、短音の吹き延ばしだけでも表現が出来ると私は思っている。
それを多用しているのが「綴花」である。


本来、余裕があればこの曲だけはテナーでレコーディングしてみたかった・・・

ソロはアルトの高音域を活かせるように作っているので、逆にこのフレーズをテナーで吹いても雰囲気が出せないはずである。(やったことはないけど・・・)

 

そして、余談だがこの「綴花」、ライブで演奏するときはCDで音入れしたフレーズ以外に毎回吹いているフレーズがある。
個人的にライブバージョンというわけだ。
それがどのフレーズかわかった方には、素敵なプレゼントを!・・・・・・
そんなこと、興味ないか・・・

 

 


②「古都」
作詞:なおママ/作曲:陽爺

 

「綴花」とこの「古都」が「わさび」最初の自主制作CD『白わさび』に収録されている。
この曲は“奈良”をイメージして作られた曲であり、画期的なのは曲の冒頭と終わりに出てくる“箏”に本物を使っていることだ。(サポートメンバーによる協力)
レコーディングスタジオに箏を持ってきていただき録音したのだが、箏は残響音が豊かなので重ね録りが不可能難しいらしく、ノーミスで弾き終わらないとOKがでない過酷なレコーディングとなった。

 

「古都」に関するサックスアプローチについては触れたことがある(過去ブログ4月16日「自己回想 その15」参照)のでここでは省略する。

 

ライブで「古都」を演奏する時、前後の曲のつながりによってサックスではなく「EWI」を吹くことがある。
サックスでも「EWI」でもどちらでも使えるのはこの曲ぐらいだ。

 

 

「綴花」と「古都」で使用しているマウスピースは「デュコフ」の“D6”だ。

「デュコフ」はこの後、最終目標であった“D8”を購入するのだが、この時点ではまだ“D6”を使っている。

このマウスピースは調子が出るのに吹き始めてからちょうど1時間を要した。

だから、レコーディングスタジオとは別に部屋を借りて、調子が上がる状態まで吹き込んでおいて、自分の出番を待った。

私にとっての“D6”のイメージは『あばずれ女』だ。

なんせ、機嫌取りが難しいマウスピースだった。