心を動かすのは“詩”か“曲”か?

すばらしい“歌詞”と優れた“楽曲”が出会うことで、ヒットソングは生まれる・・・のだろうか?

 

とあるヒットソング。
その曲がヒットした理由の中には様々な要因はあるだろうが、ここはシンプルに考え、“歌詞”と“楽曲”のどちらのお陰でヒットしたのか?

ま、昔と今とではヒットの在り方が違うため、上記の切り口では説明しにくい要素もあるが、私はやっぱり“歌詞”の力(影響力)の方が“楽曲”を上回っていると考える。
個人的に思い出深い「なごり雪」や「守ってあげたい」、「制服」そして「翼をください」・・・あ~古き良き時代だったなぁ・・・と回想に浸っている場合ではなく、どの曲ももちろんすばらしい“楽曲”ではあるが、心に刻まれているのは“歌詞”だ。(断っておくが、あくまでも私の場合なので)

 

 

“歌詞”には、その曲の背景や雰囲気、気持ちの持ちようなどすべてを明確に伝えるチカラを持っている。
さよなら」・・・曲名からしてすでに“別れ”の歌であることを示しているし、曲の出だしの歌詞を聞けば失恋ソングだということも分かる。

和歌や俳句など日本には古(いにしえ)より“言葉”で何かを伝える文化があり、その心は現代の我々にもDNAとして綿々と受け継がれている。
伝えたい“言葉”をより情緒的かつ効果的に伝えるための、強力な補佐役としてに“楽曲”のチカラを借りたのではないのだろうか?
これは全くの私見であるため、事実と違う場合はご容赦くだされ。

 

歌詞の入っている曲を聴いて共感したり、感動したりすることは、頭、つまり理論的に感動していることになるのだろうが、反対に人間は本能で感動することもある。何かを見たり聴いたりした時、自分が何に感動したのか分からないのに涙が出るという経験を味わったことはないだろうか?


私はある。


T-SQUARE」の「When I Think Of You」を聴いたときだった。

それまでにも何度か聴いていた曲だったのだが、その時たまたまじっくり聴いていた。そうしたら、何かに深く感動したらしく涙が溢れてきた。
理由はわからない。

 

その時思ったことがある。
私が好きなインストという音楽には歌詞がない。
大枠でその曲のこと伝える手段はタイトルぐらいだ。
だから、インストってすばらしい。
「さよなら」というタイトルだけでは何からの「さよなら」かわからないが、歌詞を聴けば失恋ソングであることがわかる。
つまり、親との別れやペットとの別れなどは範疇外というわけだ。
「ネイバーズ」さんでよく演奏させていただいている「OMENS OF LOVE」、直訳すると「愛の兆し」だが、この“愛”はお腹の赤ちゃんでも親兄弟でも恋人でも人類でも何だって良いのである。聴く人の自由に設定出来るため、本来多くの人に感動を与えることの出来るジャンル、それがインストなのだ。
ま、具体性がない分、伝わりにくいが・・・

だからこそ、このインストで人を感動させることができれば、ミュージシャン冥利に尽きると思う。

 

 

じゃ、「TRUTH」はどうなん?
ん? 「真実」って・・・・  奥深すぎじゃない・・・・